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「挫折を昇華する極上の哲学—元トップアナウンサー下重暁子が教える人生の乗り越え方」



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挫折を乗り越える智慧を求めて

人生の中で挫折は誰もが避けて通れない道です。

失意や後悔という苦い感情は誰にとっても身近なものであり、人生の節目で立ち現れることが少なくありません。

今年66歳になった私は、この本を手に取ることによって、自分自身の過去と向き合う時間を持つことができました。

それはまさに、挫折という名の暗闇に光を与える時間でした。

本記事では、著者である下重暁子さんの見識と哲学を通じて、新しい人生の向き合い方を探っています。

下重暁子とはどんな人か

下重暁子さんは、女性トップアナウンサーとして輝かしいキャリアを築いた後、フリーとなり民放キャスターを経験した人物です。

そして、文筆活動においても、その才能を存分に発揮し続けています。

彼女の略歴には、財団法人JKAの会長や、日本ペンクラブ副会長、日本旅行作家協会の会長といった要職が並び、其々に彼女の類稀な才能が感じられます。

しかし、そんな輝かしい外見の背後には、数々の挫折と向き合ってきた経験豊かな一面が潜んでいます。

彼女の著作を通じて、際立っているのはその語り口の親しみやすさと共感力です。

読む者に安心を与え、挫折の経験を共に克服していくような彼女の文体に、きっと心を打たれることでしょう。

ただ単に成功だけを語るのではなく、編み出された智慧と哲学が、日常生活にどう根付いているかを探ることこそ下重さんの作品魅力の一部なのです。

深まる挫折理解: "挫折とは何か"

挫折について語る時、その捉え方は人それぞれです。

本書第一章の「挫折とは何か」では、下重暁子さんが自身の経験を交えながら、一般的な挫折の定義から掘り下げて語ります。

挫折は一見、マイナスの出来事に見えますが、実はその裏側には自己成長の機会を孕んでいることにも視点が注がれています。

彼女の言葉からは、過去に起きた苦しい出来事も、現在の自分を形作る大切な要素として捉え直すという考え方が伝わってきます。

この章では、特に「挫折を受け入れる柔軟性」というポイントが強調されます。

柔軟性を持つことで、挫折を単なる失敗とせず、その消化後に得られる学びや経験が未来の糧となる様に描かれています。

また、挫折と対峙する自分自身の姿やその意味を深く考える時間を提供してくれることで、読者一人ひとりの心に寄り添うアプローチがなされています。

抗えない挫折と「身から出た挫折」という視点

第二章に進むと、下重暁子さんは挫折を二つのカテゴリーに分けて考察します。

抗えない挫折、そして「身から出た」挫折です。

この二つの異なるタイプの挫折に対する向き合い方を著者は巧みに解説しています。

抗えない挫折とは例えば、自然災害や病気といった個人の努力では避けることの難しい出来事が該当します。

対して、「身から出た」挫折は、個々の選択や行動が原因とされ、自らの反省を促すものです。

これらの挫折にどう向き合い、どのように乗り越えていくか、その具体的な方法についても深く掘り下げられており、読者が自己の体験と照らし合わせて考えられるよう緻密に構成されています。

下重さんのアプローチは、挫折を回避不能な負担ではなく、成長の種として位置づけること。

過去の自分に誇りを持ちながら、過ちを次の成功のステップに変える力強さを説いています。

挫折と他者との関係性

挫折は、時として他者との関わりの中で深く感じられることがあります。

第三章では、挫折と他者との関係性に焦点が当てられます。

職場や家庭、友人関係といったさまざまな人間関係の中で挫折がどのように影響し合うのかを深堀りし、自分一人の問題としてではなく、他者との関わりの中での気づきや学び、そして相互成長という観点にも目が向けられます。

他者からの評価や意見が挫折へと変わることは、避けられない一方で、他者との関係を通じて反省や自己理解を深めるきっかけともなります。

下重さんの言葉にあるように、他者は時として我々にとって厳しい鏡ですが、この鏡をしっかりと見据えることで得られる気づきは非常に貴重です。

この章を通じて、彼女は人間関係がもつ複雑な側面を探求し続け、様々な挫折を深化させるための基礎を築いていくことを訴えかけています。

挫折を通じて自分と向き合う重要性

挫折を単なる失敗として捉えない姿勢が求められるなかで、第四章では、自分自身とどのように向き合うべきかについて語られます。

本章の中で重視されているのは、自己との対話を怠らないという点です。

下重さんは挫折を契機に、「自分の本質に立ち返る」ことを提唱しています。

自らを深く理解し、挫折を持ち前の個性や特徴の再確認に繋げていくことが大切だと説かれています。

自己との対話を通じて探求されるのは、内なる声と思いの真実。

それは、表面的な成功や失敗にとらわれない、自分にとって本当に必要な成功観や幸福観へと結びつくものです。

この過程は決して容易ではないものの、彼女のメッセージを自分の中に取り入れることで、読者それぞれの人生のストーリーを豊かにする一助となるでしょう。

人生の終幕に向けた挫折との向き合い方

終章では、下重暁子さんが挫折と共に歩み続けてきた人生の教訓を凝縮して伝えています。

長い人生の中では幾度となく挫折と出会うことでしょう。

しかし大切なのは、そのたびにどのように立ち上がるか。

彼女はそのヒントを、自著の中で、あくまで現実的に、また希望を込めて語ります。

挫折とは新たな視点を得られるチャンスでもあり、それがひいては人生の旋律に新しい彩りを加えるのだと彼女は語ります。

その言葉には経験に裏打ちされた真の重みがあります。

日々の生活で出くわす小さな困難から、避けられない大きな試練まで、どんな時もそれらを人生の一部と捉え、受け入れ、さらには人生を彩る大切な要素として捉え直すことができるのです。


著者名: 下重 暁子
出版社名: 集英社
ISBNコード: 9784087210989
発売日: 2019年11月15日頃






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2025年9月30日


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